海堂尊『極北ラプソディ』

rightいつものスピード感で読了。バチスタシリーズ読者ならもうおわかりの登場人物に場面設定。しかし、これがシリーズ初読だと何が何だかという展開かも。少なくとも『極北クレイマー』くらいは読んでおかないとつらいだろう。

相変わらずの海堂尊節が堪能できる作品。Ai普及から医療圏を核とした地方分権改革まで、自己主張をフィクションに織り交ぜての筆致は見事なもの。夕張市と極北市がオーバーラップしたときに、虚実がないまぜになって、何が現実なのかを見失わせる魔力まである。

シリーズ続編を待ちたい。次は『ナニワ・モンスター』に続くあたりだと、大阪都構想とつながってまた面白いかも。