2018年10月12日に来年度4月1日採用の東京都教員採用の名簿が発表されました。教員採用試験の合格者という意味ですが、その受験倍率低下が著しいものでした。
注目すべきは小学校教員の受験倍率が2倍を切って1.8倍になったことです。通説では受験倍率が5倍を切ると教員の質が低下するという風に言われています。2倍を切るというのはかなり危機的な状況だということがわかります。中高の受験倍率も5倍を切っているので危機感は共有しなければなりません。
教員志望者が減った理由はいくつかあります。学校は残業代の出ない長時間労働が常態化したブラック職場だと知れ渡ったこと、人手不足を背景に民間企業の就職状況が好調なことが挙げられます。構造的な問題として少子化が進んでいるので、だんだんと教員が必要なくなるということも分かっています。端的に言えば斜陽産業なのです。
なおこの名簿から更に辞退者が出るので実質倍率はさらに下がることになります。デモシカ先生に子どもたちの教育を任せることを不安に思う親たちのうち、経済的余裕があれば私学を選択する人も増えると見込まれます。