待機児童が解消できない理由として、保育士不足が指摘されています。いくら箱(施設)を作ったとしても、そこで働く保育士を採用できなければ運営を始められないからです。保育士の低待遇が保育士不足の理由だと批判されることもあります。家賃補助や処遇改善の措置がとられている現在、保育士の待遇はそんなに劣悪なのでしょうか?
最新データ(平成29年度賃金構造基本統計調査)によれば、保育士の平均年収は342万円です。※[年収]:[きまって支給する現金給与額]×12ヶ月+[年間賞与その他特別給与額]
年齢 | 勤続 年数 | 年収 | |
歳 | 年 | 万円 | |
全職種 | 42.5 | 12.1 | 491.2 |
保育士 | 35.8 | 7.7 | 342.1 |
幼稚園教諭 | 33.3 | 7.3 | 341.7 |
看護師 | 39.3 | 7.9 | 478.3 |
福祉施設介護員 | 40.8 | 6.4 | 329.7 |
ホームヘルパー | 46.9 | 6.6 | 313.6 |
全職種の平均491万円に比較すると安い年収ですが、平均年齢が若く、勤続年数が短いことを考慮すればそれほど大きな格差ではありません。福祉系職種の中では高齢者介護に従事する福祉施設介護員やホームヘルパーと比べてみると、保育士の年収は高くなっています。
この統計調査結果は全国平均であることにも注意が必要です。子ども不足の地域も、保育所不足の都市部もまとめて平均されています。保育所の定員が余っているような地域では保育士の年収は伸び悩み、都市部では家賃補助や処遇改善によって大学卒保育士の初任給が一般的な会社員よりも高くなるケースが見られます。
特定の地域、条件の下で、保育士の年収は大きく改善されてきたと言えます。