オンライン授業のメモ(1)

学事日程の延期、再延期

新型コロナウイルスの影響で、3月の卒業式が中止になったのは3月3日だった。4月の入学式も3月17日に中止になった。3月25日時点では、新入生ガイダンスを4月20日から、授業を4月27日から開始する予定がアナウンスされた。3月29日、志村けんが亡くなり、日本中はショックとともにこれまでどおりの生活は成り立たないことを思い知らされた。

良い天気なのに出かけるような状況ではなくなっていった。
この頃Stay homeということでベランダに人工芝を敷いて、まったり仕事していた

3月から大学教員はキャンパスへの立ち入りが許可制になり、大学職員も在宅勤務推奨になった。そして4月8日に緊急事態宣言が発令されると、キャンパスが閉鎖されて全教職員が在宅勤務になった。5月11日、春学期を全面的に「オンライン授業」で実施することが学長により宣言された。

オンライン授業宣言と取り組み

従来の学事日程では第2~3週が履修登録とその修正期間にあてられていたが、5月18日授業開始に先立って履修登録を行い、第3週終了時点まで修正可能とした。学内LMS(学習管理システム)が各科目の履修登録以前には活用できない設定である不都合は以前から認識されていたためである。

4月末あるいはGW明けから授業を開始した大学では、学内LMSがパンクした、サーバーが落ちた、授業資料のファイルサイズを制限された、zoomオンライン授業への乱入が発生した、zoomでミュートしていない学生の私語がみんなに駄々洩れした、はたまたビデオオンにしている女子学生に粘着するセクハラ事案発生など、ありとあらゆるトラブルが発生した。

古き良き女子短大時代のヨットが体育館前に難破している(もとい配置されている)

最後発で後出し決定した嘉悦大学は、先行事例を見て対策できたために比較的トラブルフリーでオンライン授業に移行できた。そもそも20年以上前の女子短大時代から一人一台BYODでノートパソコンを持たせて、現在のキャンパスではPC教室すら全廃している環境であったことも幸いだった。他大学がスマホで授業を受け、通信データ容量を気にするような学生への配慮が必要な状況に比べると、在学生はPC活用に慣れていて、自宅には固定回線があり、初年次にGoogle Classroomも経験している強みがあった。そのスキルを身に着けていない新入生対応だけが懸念対象だった。

専任教員・非常勤講師を対象としたオンライン授業説明会は5月7・14日の2回、FD研修としてzoomミーティングで実施された。そこでは、学内LMS、Google Drive, Google Classroomをベースとして、避難先のMicrosoft OneDriveの活用が指示された。授業資料・動画作成としてPowerPointの活用方法、そしてリアルタイム授業を実施する場合のGoogle Meetとzoomの活用方法が説明された。

嘉悦大学では、全教職員・全学生にzoomのアカデミックライセンスを準備した。無料アカウントでは3人以上のミーティングで40分時間制限がつくほか、ドメイン指定などの機能が使えない。アカデミックライセンスだと、通常の有料アカウントが100人までなのに対して、300人まで参加可能になる。従来、履修希望者が殺到した場合もカエツホールでの定員が300人なので、これで収まることになる。

学生にもライセンスを与えているので、一部のクラブ・サークルではミーティングに活用してくれていると聞いている。キャンパス閉鎖で課外活動が停滞していることが学生の満足度を下げていて、オンラインで会合やイベントができることは、少しは満足度改善に役立っているかもしれない。

(続く)