カテゴリー: 大学

在宅医療推進-野田総理・柏市訪問をつなぐ線

2012年度の診療報酬改定で在宅医療推進が決まったことと、2月11日に野田総理が千葉県柏市を訪問したことは、2つの点として報道されているが、これらは線でつながっている。線をつなげているのは、元厚生労働事務次官、辻哲夫東大教授だ。医療に関しても病院中心主義を止めるという彼の考え方については私も支持する。ただ、ものごとの進め方に関してはその手腕に感服するばかりだ。

ケイパビリティの現実

アマルティア・セン教授の講演の後に開催された震災復興シンポジウムで、主婦を名乗る聴衆から質問に名を借りた自己主張がなされた。思い込みと決めつけと、人の話に耳を傾けない態度は、スルーしたパネリストが共通して感じていたことかもしれない。個々人に与えられた潜在的な選択能力、ケイパビリティの欠如こそが貧困なのだとセン教授は言っている。目の前にある選択肢が見えないことこそ貧困の証明であり、はからずも実例を観察することになった。

アマルティア・セン教授、震災復興を語る

2012年2月6日、六本木にある政策研究大学院大学を会場に、アマルティア・セン教授の講演会が行われた。震災復興について語った講演の中では、津波で家を失い失業した人々、原発事故で避難している人々、そして家族・地域・世代のつながりを断ち切られてしまった多くの人々はケイパビリティを失った状態なのだと指摘する。