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東京電力の値上げと消費税増税の共通点

接点の無さそうな二つの問題の共通点は、上げれば増収になると単純に考えていることだ。電気料金10%値上げして10%増収するなんて価格弾力性はあり得ない。真っ当な家計あるいは事業者であれば節電によって電気料金の伸びを抑えるはずだ。消費税増税にしても税率を上げれば税収増になると信じているわけだ。経済が縮小してしまえば目論見は崩れることになる。

ケイパビリティの現実

アマルティア・セン教授の講演の後に開催された震災復興シンポジウムで、主婦を名乗る聴衆から質問に名を借りた自己主張がなされた。思い込みと決めつけと、人の話に耳を傾けない態度は、スルーしたパネリストが共通して感じていたことかもしれない。個々人に与えられた潜在的な選択能力、ケイパビリティの欠如こそが貧困なのだとセン教授は言っている。目の前にある選択肢が見えないことこそ貧困の証明であり、はからずも実例を観察することになった。

アマルティア・セン教授、震災復興を語る

2012年2月6日、六本木にある政策研究大学院大学を会場に、アマルティア・セン教授の講演会が行われた。震災復興について語った講演の中では、津波で家を失い失業した人々、原発事故で避難している人々、そして家族・地域・世代のつながりを断ち切られてしまった多くの人々はケイパビリティを失った状態なのだと指摘する。