大学生の就活事情2018(1): 就活スケジュールとフライング選考

日本経団連の中西会長が9月「就活ルール廃止」に言及したことから、就活スケジュールが成り立たなくなるのではないか?という不安と混乱が大学生や大学関係者に広まりました。


国境を越えた人材の獲得競争が広がり、経団連が個別企業の採用活動をしばるのは現実に合わないとの意識がある。一方で安倍晋三首相は同日夜、採用のルールを守るよう改めて要請。学業への配慮を求める大学側との調整が進みそうだ。

(中略)

経団連は会員企業が新卒採用する際に参考とするルールとして「採用選考に関する指針」を定めている。現行のルールでは、2020年春入社の学生までは前年の6月1日に採用面接を解禁し、10月1日に内定を出すという日程を示している。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34913280T00C18A9EA1000/

日本経団連加盟企業とは、言わずと知れた大企業ばかりです。就活ルールに縛られた大企業を尻目に、外資系企業、中小企業が大手を振ってフライング選考を進めています。大企業同士でも、選考面接ではなく「面談」だというような言い訳を使った前倒しが横行しています。既に通年採用を明言して、大学1,2年生のうちから囲い込むような企業も出てきています。

現在の大学生の就職活動はネット就職と呼ばれるように、リクナビ・マイナビという2社が寡占する就活ネットサービスを利用したものになっています。一斉に会社説明会が開催され、同時期に業界の企業が選考を進めていく就活スケジュールが決められているからこそ、これらのサービスが利用されています。スケジュール自由になったとき、リクナビ・マイナビは変化に対応していくのでしょうか?その方向性として、既にインターンシップ(という名の会社説明会・業務体験会)の募集を3年生向けに始めています。

3年生夏休みに、正社員のお仕事はとは何か?を経験するため2~3週間かけて従事するのがインターンシップと呼ばれていました。アルバイト・パートを使わない業界やB2B企業での正社員のイメージを大学生に持ってもらうのに有効でした。ここ数年は、ワンデーインターンシップとか数日で済ませる短期インターンシップが多くを占めるようになりました。実質的には会社説明会です。

インターンシップに参加した学生に声を掛けて、実質的な選考を始める企業が増えてきました。フライング選考で、ある3年生は「役員懇談会」に呼ばれました。それを聞いたとき、「最終面接」じゃないか!と思わず声を上げました。とはいえ、3年秋に事実上の内々定をゲットしている学生が珍しくない就活事情2018です。