進路変更するため中退する学生

中退したいという学生と1時間ほど面談してHPが削られた。orz自動車整備士

夏休み明けにも話をしていて、年末年始に両親とも相談して、自動車整備士の専門学校に行くので辞めたいとのこと。しかも首都圏ではない地元に帰って。待遇良くないし専門学校に行って資格を取ったからといって就職が確実なわけではないと説明しても聞く耳持たず、将来的に日本の人口減少と自動車保有台数は同期して減少していくから一生食べていける仕事では無いと説明しても聞く耳持たず。どうしてもゴールに自動車整備士を置くならば、大卒として付加価値を生み出せる能力を身につけてからでも遅くない(自動車メーカー内にも整備士学校はある)と伝えても頑なに。

http://honne.biz/job/j1010/

個人的な経験からも、現在の自動車整備士は基本的な点検整備だけではなくてお客さんに提案して売上を伸ばす能力、つまり営業職的要素が求められている。予想としては、介護ロボットなど一般家庭向けのロボットを自動車ディーラーがクルマと同じように販売・リースを始めるのが10~15年後だと考えている。その意味でも従来型の自動車整備士では食べていくことは難しい。

学生には「学ぶ方法」を身につけて卒業してもらいたいと願っている。それは自分の提案が「新しい」とか「優れている」と主張するためには、正解を探すのでは無く、正解を創り出す方法を知っていなければならないからだ。既存のアイデアや事例をリサーチして学び、比較しないと「新しい」とか「優れている」とは言えないし、根拠に基づいた主張をしなければ他人を納得させることはできない。相手を納得させることが出来れば、それは正解になる。そのためのトレーニングがゼミでの個人研究だったりする。

粘り強く社会経済の変化に対応する能力を大学で身につけるべきだと情報提供したのだが、最終的に彼の言い分は「資格があれば食べていけるはず」というところから全く動こうとしなかった。教員としての力不足と同時にアマルティア・センのケイパビリティの議論を思い起こしている。