子育てにかかる費用と支援

ID-100347133子ども一人育てると3千万円かかる、というのは外資系保険会社が学資保険を売らんかなで流布した話が最初。2人育てたら倍か?というと実は生活費部分も含まれていて、世帯としてかかる生活費も頭割りしている。話半分に聞かなければならない。

教育費だけに限れば、公立国立で済ませば500万、私立だと1700万といった数字もある。ただし22年ローンあるいは16年ローンみたいなもの。

少子化の原因として子育て費用の高さが挙げられることが多いが、実はアンケートに答えているのは育て終わった人が過去を振り返っているため。出産子育て適齢期の世代は何にどれだけかかるか、具体的なイメージを持っていない。育ててみないと、オムツやミルク、衣替え毎の被服にいくらかかるか分からない。

一方で、子育てにどれだけ税金が投入されているかほとんどの人は意識していない。乳幼児医療を無償化してるのは税金、保育所の自己負担は実際かかる費用の1割程度なので差し引きは税金、義務教育も税金、などなど。0歳から公立保育所に6年間通うと、見えない税金部分の総額は約1000万円になる。義務教育9年間では約800万円になる。高校や大学にも補助金として税金が投入されている。

ある意味、子育て費用と税金はマッチングファンドのような関係にある。しかし、税金だと思っていたら借金で、お年寄り向けの社会保障分も併せて返済義務を次世代の子どもたちに負わせているという指摘もある。ある先生の言葉を借りれば「財政的児童虐待」だと。

少子化対策と子育て費用の問題は、まずは現実を直視することから始めるべきだと思っている。

内閣府「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」概要版PDFの8ページにある「図表 3-1-3.第1子の年齢・学年別にみた第1子一人当たりの年間子育て費用額(対象者全体平均)」は、何歳のときにいくらかかるのかがビジュアル化されているので興味深い。