オンライン授業のメモ(6)

通信インフラの重要性

オンライン授業を実施するときに、学生側の通信インフラもさることながら、教員側の通信インフラも重要になります。zoomでリアルタイムライブ授業をするとき、学生・教員の双方の通信インフラが十分に堅牢であることが求められます。

学期初めの調査で、学生のほとんどがネット固定回線を持っていて、再入国できない留学生もVPNでGoogleサービスにアクセスできることが確認できていました。他大学のようにモバイルルータやスマホのテザリングを使うために月末にはデータ容量が無くなってしまうという事態は避けられました。

教員側もネット固定回線を持っていると思いますが、他の教員の事情はよく分かりません。私の場合は集合住宅の光回線で各戸にはVDSLで接続されています。WiFi 5Ghz帯での日中の通信速度は上り80Mbps・下り30Mbps程度です。これでも家族3人が同時にzoomや動画視聴している状況で、さらに集合住宅全体の密度が高まれば速度低下は免れません。

ライブ授業をする教員が多いように聞いています。これは双方の通信インフラが十分なら良いのですが、みんなが在宅勤務するような状況ではトラブルの元になります。学生からzoomに入れなかった、教員が落ちたなど。これを避けるために、私は事前準備した講義動画と課題提出のオンデマンドと、30~40分間と時間を区切ったzoom質疑応答ライブのハイブリッド型の授業設計にしました。

実際に、私の通信インフラでもトラブルはありました。通信速度が低下して話している内容が十分に伝わらなかったり、回線断によって落ちてしまったりという経験をしました。WiFiの5Ghz帯は航空無線と共用しているため、航空無線を感知すると1分間ルータが止まってしまう仕様になっています。自宅上空は警視庁ヘリコプターが午前と午後に定期パトロールで通過するので、その時間帯はハイリスクです。2.4Ghz帯は電子レンジに影響を受けることが知られています。さらに、ルータ自体が再起動することもありました。熱暴走なのか、それとも雷による瞬間停電だったのか、原因は定かではありません。

Google Classroomでのテスト付きの課題の落とし穴

毎回の授業トピックに「テスト付きの課題」を設定しました。これはGoogleフォームと連携して、自動採点をインポートできる仕組みです。Googleフォーム側で解答例とスコアを設定しておくと、Google Classroom側の採点ページで成績をインポートできます。

Googleフォームの設定で、あらかじめ質問は必須回答にしたり、デフォルトのスコアを指定することができます。例えば4問出題して、各問25点で合計100点満点というような仕組みです。ところが、「テスト付きの課題」として編集を始めたGoogleフォームの第1問目は必須回答やスコアの指定が効かない状態になります。2問目からは指定が効いた状態になります。Googleのことですから、しれっと治る時が来るかもしれません。

やってしまいがちなミスとしては、Googleフォームの解答例の設定を忘れてしまうことです。学生から、正解がありませんでした、スコアが0点でしたなどと指摘されて気づくことが数回ありました。見直す余裕なく授業準備していると、うっかり忘れてしまうこともありました。

Google Classroom側の「テスト付きの課題」編集中にやってはいけないことがあります。成績インポートの紐づけのあるGoogleフォームへのリンクを消してしまうことです。一度消してしまうと、[追加]からGoogleフォームを追加しても成績インポートの紐づけは復活しません。「テスト付きの課題」の[投稿]右端のメニューから下書きを破棄してやりなおしましょう。また、このときにGoogleフォームの残骸がGoogle Classroom共有フォルダに残ることになります。お掃除好きな人はGoogleドライブから削除しておきましょう。

(続く)