円安インフレ

円安になって、ガソリン、灯油、そして輸入食料品(まあ間接的なのを入れれば食料品全部があてはまる)の値上げが相次いでいる。あちこちから疑問の声があがっているが、アベノミクスは物価上昇させるのが目的だから正常な反応と言える。

なお消費税税率引き上げ時にも物価上昇が見込まれるので、アベノミクスが続く限りはインフレが継続する予定だ。値上げで生活が苦しくなると怒る人は近視眼的で経済全体が見えていない。これは貯めこむより今消費することを促す政策だからだ。
USD-JPY
円安になったら値上げされているけど、円高のときに値下がりしたっけ?という疑問も見られる。ええ、世界がエネルギー価格最高値とか騒いでいる時に円高のおかげで急騰せずに済んだのはご存じないのだろう。食料品国際価格がインフレ基調のとき、国内価格は安定だった。

上のドル円チャートにあるように、昨年末から2か月で20%前後の円安にふれたので、値上げ幅がそれくらいあってもおかしくない。もう一つ言えば、輸出産業にお勤めならボーナスがそれくらい増えてもおかしくない。

エネルギー価格の面で言えば、世界的に最高値を更新していた頃よりも世界経済は停滞して価格も落ち着いてきているので、円安になっても値上げ幅はそれほど大きくなく済んでいる。食料品価格も同様である。

改めて言えば、アベノミクスによるインフレ誘導は、貯め込むより今消費した方が得だと思わせることに意味がある。今の1万円が来年の1万円より使い出があると感じれば、今使うだろう。デフレ経済の下ではその逆が起こっていて、貯め込むインセンティブが働いてしまっていたのだ。あなたが使ったお金は天下を回ってあなたに返ってくる。これこそが経済のダイナミズムなのだ。

p.s. 結果的に賃上げまでたどり着くのが望ましいが(賃金も労働力の対価という価格だから)、安倍政権が財界に向けて賃上げを要請するのは夏の参院選対策だろう。