子ども一人育てると3千万円かかる、というのは外資系保険会社が学資保険を売らんかなで流布した話が最初。2人育てたら倍か?というと実は生活費部分も含まれていて、世帯としてかかる生活費も頭割りしている。話半分に聞かなければならない。
公的年金の世代格差を考える
話題になっている厚労省の「いっしょに検証!公的年金:世代間格差の正体~若者って本当に損なの?」について、社会保障専門家としてちょっとコメントしてみます。8,9枚目の産めよ増やせよ的なメッセージは強烈な誘導に見えるかもしれませんが、実は各種調査で欲しい子どもの数は2~3人という結果が出ていて、それが実際には1~2人になっているということを厚労省は認識しています。国民の願いを実現させる、そのための待機児童対策だったりするわけです。
進路変更するため中退する学生
自動車整備士の専門学校に行くので中退したいという学生と面談した。彼の言い分は「資格があれば食べていけるはず」というところから全く動かすことができず、教員としての力不足と同時にアマルティア・センのケイパビリティの議論を思い起こしている。
日本の少子化の逆転は可能か?
結論から言えば、人口構成から言ってもう日本人を増やすのはもう無理で、移民より少子化対策と言っている方を見ると減少スピードを落とせるかどうか何だと教えてやりたい。団塊ジュニア世代がアラフォーになった時点で終わったんです、逆転の可能性は。
Made in Italy, by Chinese Workers から考える移民労働者問題
憧れのイタリア製品が現地で中国人労働者によって作られているというロイターのニュースから、「日本製」ブランド再構築を通して移民労働者問題を考える手がかりにしようというお話。
「死亡消費税」あるいは「死亡年金税」を構想する
社会保障制度改革国民会議にて、伊藤元重先生が「死亡消費税」を提案されていた。社会保障研究者なら多かれ少なかれ構想したことがあるはずだ。長寿による生活費リスクをカバーする社会保険のはずの年金を受給しながら遺産が残るのは不合理だから。ある意味で相続税のフラット化である。
育児休業3年は待機児童ゼロのため?
安倍総理は2013年4月19日、成長戦略の柱として女性就業率向上(育休3年含む)と待機児童ゼロを打ち出した。マスメディアでは「育休3年」と「待機児童ゼロ」がリンクされて報道されていないようだ。3歳未満の子どもで保育所に預けられているのは約3割で、定員の少な目な1歳児あたりが最も待機が多くなる傾向にある。1歳児の親に在宅育児してもらうと待機児童ゼロも達成するしかけになる。
ミャンマー民主化は誰の幸せ?
ミャンマーの民主化の象徴としてアウンサンスーチー女史の役割はこのまま続いていくのだろうか? かつての軍事独裁政権が良かったとは決して思わない。 このまま民主化が進む中で少数民族の声が大きくなり多数派と対立した場合、その結末はどこにあるのだろうか?国民全体の幸せにはつながらないような懸念を持っている。
円安インフレ
円安になったら値上げされているけど、円高のときに値下がりしたっけ?という疑問も見られる。ええ、世界がエネルギー価格最高値とか騒いでいる時に円高のおかげで急騰せずに済んだのはご存じないのだろう。アベノミクスがインフレ誘導するのは、貯め込むより今消費した方が得だと思わせることに意味がある。
就職活動が学生の免罪符になるという誤解
辻太一郎氏がダイヤモンドオンラインで発表した記事「「就活だから」が大学教授、学生の免罪符に誰でも簡単に単位が取れる秋学期試験の実態」は、大きな誤解が含まれており、大学教員として違和感を覚えてしまう。大学教員は学生の人気取りで採点を甘くする、という見方は学生の希望的観測に過ぎない。